一般財団法人 健康とアートを結ぶ会

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安松美由紀さんと宮島永太良
インタビュー 2026.06.23

第3回「健康をめざすアート公募展」優秀賞受賞者・安松美由紀さんインタビュー

一般財団法人「健康とアートを結ぶ会」代表理事・宮島永太良が、第3回「健康をめざすアート公募展」優秀賞受賞者・安松美由紀さんにお話をうかがいました。

安松美由紀さんのプロフィール

【略歴】
2014年 静岡大学教育学部美術教育専攻 卒業
静岡県内の小中学校で図画工作や美術の非常勤講師をしながら絵を描く
2024年 「ご遺骨で大切なペットを描きます」「うさぎのころころを絵に変えます」という絵画の受注制作を開始

【個展とグループ展】
2016年 個展「わたしとうさぎ 安松美由紀」をYellow Passion(焼津市)にて開催
2021年 個展「罪とゆくみち」をフェルケール博物館(清水市)にて開催
2023年 個展「きみだったものたち」を書繪堂ギャラリー(浜松市)にて開催
2024年 個展「あつめるにわ」を豊岡東交流センター(磐田市)にて開催
2025年 個展「あるからいるに」をちろる庵(豊橋市)にて開催

【受賞歴】
2011年 ロゼシアター「新進アーティスト作品展」 佳作
2012年 焼津U35アーティスト展 Yellow Passion賞
2013年 静岡県西部美術展 大賞/中日新聞社賞
2013年 ふじのくに芸術祭2013 準奨励賞
2025年 第3回「健康をめざすアート公募展」 優秀賞

宮島永太良(以後Q):
本日はよろしくお願いいたします。まずは、安松さんの画歴について教えてください。
安松美由紀さん(以後A):
3、4歳の頃から絵を描くのは好きでした。高校は美術専門の学校でしたが、大学は美大ではなく教育学部へ進学しました。ただ、絵を描き続けたいという気持ちは強く、大学生になってもアトリエで制作を続けていました。公募展への出展や個展の開催など、本格的な活動を始めたのは10年ほど前からです。

ちなみに、今回受賞した「しんとう」のモチーフになっているうさぎは、制作活動の原点でもあります。小学6年生の時に自宅で飼っていたこのうさぎが亡くなった際、強い罪悪感を抱きました。そして「せめて絵の中で生き続けてもらえたら」という願いを込めて、生き物たちを描くようになりました。
インタビューに応じる安松美由紀さん
Q:
優秀賞作品「しんとう」について、おうかがいします。
作品の説明文を読んだ時、動物の骨を使って描いたという点に関して、少し驚きました。詳しく教えていただけますか?
A:
大学生の頃から、大切な存在を市販の画材で描くことに違和感を覚えるようになりました。
先ほどお話しした、小学6年生の時に亡くしたうさぎを描こうとした時、そのうさぎの骨を画材として使いたいと思いました。埋葬した山を探したのですが、骨も含めてすでに土へ還っていました。
どうしようかと悩みましたが、「この山にいる鹿なら、うさぎの栄養を吸って育った植物を食べているかもしれない」と思い、猟師さんに頼んで骨を少し分けていただきました。この絵の白い部分には、その骨を使っています。
また、色が付いている部分は土葬した土地に生える植物や石から採った色になります。

客観的には理解しづらいかもしれませんが、作品を通じて、大切な存在の物質を「そこにある」ではなく、「そこにいる」と感じられるところまで近づけたいと思っています。自分にとっては、お守りや戒めのような意味合いもあるのかもしれません。
作品について説明する安松美由紀さん
Q:
これまでに影響を受けた作家はいますか?
A:
影響を受けたのは、円山応挙の「木賊兎図(とくさうさぎず)」です。
高校生の時に見て、うさぎの毛がキラキラして見えるのに興味を持ちました。学芸員さんから、雲母を使っていると聞いて「その辺に落ちている石も絵の具になるんだ」と衝撃を受け、日本画の道に進むことにしました。この作品との出合いがなかったら、おそらく油絵に進んでいたと思います。
Q:
次に、この公募展に応募したきっかけを教えてください。
A:
「登竜門」というサイトで見つけました。健康というテーマにも関心がありましたが、この公募展は絵だけではなく、コンセプトをきちんと読んでくれそうだなと思ったのが、応募の決め手でした。

実際に、絵だけではなくコンセプトや個人の活動・思想についても見て、評価していただけて嬉しかったです。

また、他の出展者さんと交流ができたのも良い経験だったと感じています。健康というテーマに関して思想が近いなと感じる人がいたり、一方で、自分には一生かけてもその思想には辿り着けないなと感じる人もいたり。テーマは同じでも、考え方は本当にさまざまで、自分以外の人について知ることができる良い機会となりました。
Q:
最後に、今後の活動について聞かせてください。
A:
画材について、もっと追求していきたいと思っています。
今は市販のアートレジンを使用していますが、将来的には近くの森にいる生き物に由来する素材を使い、自作できないかと考えています。猟師さんにも協力していただきながら挑戦してみたいです。

また、岩絵具を釉薬に変えて焼き物にし、それを粉砕して絵の具にするといった試みなど、画材そのものの研究を積極的に進めていきたいと思っています。
安松美由紀さんと宮島永太良

取材日 2026年6月14日(日)
場所 CAFE & GALERIE ちろる庵

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